組合員活動報告
2020/10/10 絶句!ドローンから視た沖縄 ― DVD『ドローンの眼』上映と栗原佳子さんのお話 ―
■チームピースレラ
DVD『ドローンの眼』:二部構成「鳥の目」
一部で明らかにされるのは、主に辺野古新基地建設現場で、工事の汚泥流出や埋め立て土砂に赤土を使うなどの違法工事が進められている様子。住民側が示すドローンの撮影した状況に、沖縄防衛局担当者は説明する言葉がない。
二部では、琉球弧の島々に次々と建設されていく自衛隊基地とその流れに巻き込まれ、戸惑う住民の姿が映し出される。美しい海や森林を蹂躙して突然姿を現す基地群。ほぼ音声のない映像が、なおさらその対照を浮き彫りにしている。
栗原さんのお話:「虫の目」
「上映されたDVDが上空からの鳥の目だとしたら、地上の虫の目の話をしたい」と切り出された。与那国島では自衛隊誘致を巡って島が二分。自衛隊関係者が移り住み住民の15%を占めるまでになった。島の暮らしぶりが大幅に変容。新アセス条例が2019年4月施行されると手続きが煩雑になると言うことで、宮古島や石垣島でも、住民に対する十分な説明が無いまま基地の建設工事が進められている。種子島をベースキャンプとする基地構想は2011年6月の日米共同文書に既に記載があり、離島奪還訓練などが実施され、町中で銃を持った兵士が歩く姿は日常化している。沖縄島では、2027年までに沿岸連隊(ミサイル部隊)を配備する予定になっている。島々で進む軍備の増強は、使われなくなったゴルフ場を買い取る等して地元の人たちでも気付かぬうちに壮大な規模で進められている。戦後70年間基地のなかった石垣島、与那国島。通信施設だけがあった宮古島。それら琉球弧で急速に基地の増強が進められている。
それは日米政府にとっては、対中国戦略の一つにすぎず、例えば弾薬庫を住宅地の近隣に造ってもその事実さえ隠し、万一事故が起きた場合に住民が避難する方法などまるで考慮されていない。そのことは軍隊が決して住民を守らないことを示している。
10月10日は1944年の沖縄大空襲の日。この日を境に無差別空襲が始まった。76年前辛酸を嘗めさせられた戦争体験者やその遺族は「また同じ道を歩んでいる」と危惧されている。